最終更新日 2025年5月15日 by michidoo
一般的に賃貸住宅は家主と入居者の信頼関係に成り立っていて、入居者が家主に対して毎月の家賃をきちんと支払うことで契約が成立します。
もしも入居者が家賃の未払い・滞納した状態で夜逃げなどをすると、家主は大きな損害を受けてしまうからです。
家主にとって入居者や「お客」ですが、身元がしっかりしていて家賃滞納などのトラブルを起こさない人を選んで家を貸すことも大切です。
賃貸物件の入居者を見つけて契約を仲介するのは不動産会社の役割ですが、入居者を審査して紹介するという大切な役割もあります。
賃貸物件に入居を希望する場合
賃貸物件に入居を希望する場合は、最初に3~4ヶ月分の家賃に相当する敷金を家主に支払います。
敷金は預けるだけなので退去時に払い戻されますが、もしも家賃の滞納や物件の破損などが生じた際の補償に使われることがあります。
敷金に加えて、入居に際して信用できる保証人を付けることが求められるケースもあるようです。
敷金や保証人は賃貸物件のオーナーにとって保険として機能しますが、最近は民間の家賃保証会社を利用するケースが増えています。
あらかじめ家主が保証会社に加入しておくことで、家賃の未払いや入居者とのトラブルが発生した際に保証会社が家主の損失分を補てんしてくれる仕組みです。
家賃の支払いが遅れた場合も、家主は家賃保証会社を通して支払いの督促を代行してもらうことができます。
入居者が家賃を支払わずに勝手に退去してしまった場合には保証会社から家主に滞納分が支払われ、保証会社から滞納者に請求されます。
保証会社に加入する物件オーナーが増えている
家主が家賃保証会社のサービスを利用するためには保険料を負担しなければなりませんが、近年はトラブルを未然に防ぐ目的で保証会社に加入する物件オーナーが増えています。
保証会社を利用することにより入居者が負担する敷金を低めに設定したり、保証人を付けなくても賃貸物件に入居できるようになるというメリットもあります。
保証会社を利用することで賃貸物件に関係するトラブルを回避することができますが、入居者は契約時に審査を受けてパスしなければなりません。
審査に通過できないと物件のオーナーは保証会社のサービスを利用することができないので、保証人が求められたり入居を断られてしまう恐れがあります。
いくつかの家賃保証会社が家主向けにサービスを提供していますが、東京都新宿区に本社を置く全保連(全保連株式会社)は日本で最大の保証会社です。
全体の約35%の物件オーナーが全保連に加入
日本全国の賃貸物件で保証サービスを展開しており、全体の約35%の物件オーナーがこの会社に加入しています。
もしも全保連の審査に通過することができなければ、国内にある賃貸物件の1/3に入居することができなくなってしまうことになります。
これから賃貸物件の入居を希望する方は、希望する家に住むために全保連の審査に通過するためのポイントを押さえておくことが大切です。
家賃保証会社の審査に通過するためのポイントは、可能な限り審査に落とされる要素を排除することです。
家賃保証会社では、過去に家賃支払いの延滞やその他のトラブルの有無・加入者の年収・国籍・年齢・職業などの属性が総合的に審査されます。
特に収入や年齢などの属性は家賃の支払いに直接的に関係しているので、審査に大きな影響を及ぼします。
家主との間でトラブルを起こすリスクを判断する目的で、国籍や職業も審査されます。
誰かに緊急連絡人をお願いする場合
日本国内に居住する外国人の中には家賃を滞納した状態で出身国に帰国してしまうケースが少なくないので、外国籍だと審査が厳しくなります。
収入や職業といった本人の属性に加えて、万一の場合に備えて緊急連絡人にすぐに連絡ができるかどうかもチェックされます。
1週間以上にわたり電話が繋がらない状態が続くと、緊急時に連絡がつかないと判断されて申し込みが却下されてしまうでしょう。
誰かに緊急連絡人をお願いする場合は、保証会社から電話連絡が来ることを伝えておく必要があります。
全保連を含めて国内にある家賃保証会社では会社間で加入者や緊急連絡人などの情報を共有していますが、クレジットカード会社や消費者金融会社などが加入している信用情報機関にも登録しています。
そのため、過去にクレジットカードや各種ローンの返済で滞納や任意整理・自己破産などの法的な債務整理(金融事故)などを経験した「金融ブラック」の状態だと、賃貸物件に入居する際の審査に通過できなくなる恐れがあるので要注意です。
入居時に保証会社の審査に通過するためには、日頃からきちんとクレジットカードやローンの支払いをすることが大切です。
まとめ
過去にクレジットカードやローンの返済を滞納させたり法的な債務整理を経験した方であれば、信用情報機関に登録された情報が抹消されるまでの期間は保証会社の審査を受けないように注意する必要があります。
職業やその他の点で何らかの問題がある場合は、全保連の審査に通過するために連帯保証人を付けるという方法があります。
身元がしっかりした連帯保証人を付けることで、家賃保証会社の審査に通過する可能性を高めることができます。