最終更新日 2025年5月15日 by michidoo
「神社に行きたい」
「参拝する理由って何なの?」
「神社本庁について詳しく知りたい」
特に信心深いわけでも神道を深く信仰しているというわけではありませんが、初詣は神社に行きますし、街を歩いていて近くを通る機会があると、気が向くと立ち寄ってお参りしている自分がいます。
恐らく、深く一つの神様を信じている方にこんな話をしたら「信じられない」と呆れられたり軽蔑されたりしてしまいそうですが、特に違和感なく、そのほかお寺も教会も訪れることができてしまう私。
こういった態度は「節操がない」と大変怒られてしまうかもしれませんが、日本の中では、私のような方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
神社はなんとなく親しみがある
お寺や教会にも立ち寄ることがありますが、お寺はなんとなく厳かで近づきづらく感じてしまいます。
また、教会は建築見学やイベントが目的のことが多く、信仰がないのにむやみに行ってはいけないような雰囲気…と敬遠してしまうことも多くあります。
それと比べて、神社はなんとなく親しみがあると感じるのは私だけでしょうか。
ふらっと立ち寄ってもウェルカムという雰囲気、日々の雑多な事もすべて受け入れてくれるような、懐の深さがあります。
どうして「懐が深い」と思うのだろう、と考えてみると、地域のお祭りに関わっていることが大きいからだと気がつきました。
初詣、節分の豆まき、境内での盆踊り大会、秋祭りなど、お寺が主体となる地域もあるかもしれませんが、自分が育ってきた環境では、こういった年間行事にはいつも地元の神社が関わっていました。
そして、お祭りや盆踊りのときに境内にひしめく屋台たち。
子供の頃は、イベントそのものよりもむしろ、「屋台で何を買おうか」ということに心躍らせていた懐かしい思い出も蘇ってきます。
淡々と過ぎていく日々の中でアクセントとなるイベントに関わっていたからこそ、「懐が深い」という印象につながるのかもしれません。
ビルが立ち並ぶ街の中でも小さな神社に出会える
ビルが立ち並ぶ街の中でも、小さな神社に出会えます。
そこは境内に緑が大切に育てられていたりと、ちょっとしたオアシス感が漂っていることが多いような印象です。
ちょっと疲れた時、一休みしたい時など、気がつくとふらっと鳥居をくぐって、御手水で手を清めて鐘をがらんがらんと降って手を合わせると、気持ちがしゃんとするような気がします。
「祈ることがなくても、寄ってもいいよ」という雰囲気がとても良いのです。
気分を変えたくて、馴染みの喫茶店やバーにちょっと顔を出して二言三言言葉を交わす、というのが近いかな、と思います。
行きたくなる時、ふと鳥居をくぐって寄ってしまう時というのは「神様にちょっと会いに行く」「顔を見せにいく」、自分の行動を省みると、参拝する時はそんな気持ちのことが多いようです。
以前、雑誌か新聞か忘れてしまいましたが、神社参拝のお作法について書かれた記事を読んだことがありました。
そこには「お願いをしてはいけない」と書いてありました。
お願いするのではなく、お礼を言うのだそうです。
「いつもありがとうございます」というお礼・感謝の念を送る
参礼三拍手したあと、神様にまず自分のことを知らせるために住所と名前を心の中で告げ、そのあとは「〇〇が叶いますように」といったお願いではなく「いつも見守っていただきありがとうございます」というような感謝の言葉を伝えるのが良いとのことでした。
この記事を読むまでは、いつも「〇〇が叶いますように」など、常に参拝のときに願い事ばかりを念じていた私は「だからだめだったのか」と反省しました。
記事を読んだ後からは、たまにお願いごともしてしまいますが、「いつもありがとうございます」というお礼・感謝の念を送るように努めるようになりました。
ただこのお作法、何となく初めて知ったものという感じがなく、「あれ?これってどこかで…」と思ってもやもやしていました。
しかし、ある時ふと、商業施設などで、お店側からお客さんに向けてお願いする時の方法と似ているかもしれない、ということに気づきました。
飲食スペースやトイレなど「いつもきれいにお使いいただきありがとうございます」と先にお礼を言っている貼り紙やポスターは、まさに「参拝のときにはお願いをせず感謝を伝える」というお作法と同じ方式なのではないかと。
自分の実生活に照らして考えてみても、確かに、突然やってきて開口一番お願いばかりしてくる人って、ちょっと嫌かもしれません。
それよりも、「いつもありがとうございます。
まとめ
ところで…」というように話しかけられたほうが、「話を聞いてみようかな」「この人のお役に立つなら」という気持ちになれます。
参拝のお作法には、日々の暮らしを気持ちよく過ごすための心理的テクニックが隠されていたのだと気づいて「すごいな」と感心しきりです。
他にも、お参りする前に御手水で手を清める、荷物は置いてお参りする、きれいなお辞儀といったことも、大切な人と会う時のマナーに通じるものがあります。
こう考えると、神社は「神様に会いに行く」ところであるし、毎日の生活の中で大切にしたいことを再確認する場でもあるのでしょう。