専門学校で学ぶイラストレーターの基礎知識

最終更新日 2025年5月15日 by michidoo

●イラストレーターになるには

イラストを描くことを日々楽しんでいる人の中には、自分で描いたイラストで収入が得られるプロのイラストレーターに憧れを抱いている人も少なくありません。

今は、イラストや漫画、小説に特化したSNSや投稿サイトなど、インターネット上に発表の場が数多くあり、趣味でアップロードした作品がプロの編集者などの目に留まり、そのまま商業デビューする人も一定数存在します。

そういった人の場合、身近に描画の基礎を教えてくれる大人がいたり、絵画教室に通ったりして、幼いころからデッサン等の基礎を習得できる環境に恵まれているなど、早くからプロ級の完成度の高さを持つ画力を備えていることが多く、中には生まれつき「物を見る目」が絵画に向いていて、教えられなくても最初から上手い天才肌の人もいます。

あるいは、描画技術そのものは拙くても、多くの人の心を惹きつける独特のセンスを備えているなど、突出した魅力を持つイラストで、ネット上で既に一定数以上のファンを獲得しているケースも散見されます。

作品を定期的にアップロードしているかどうかも意外に大事で、プロのイラストレーターとして仕事を任せるにあたっては、一定のクオリティを持つ作品を、ある程度量産できるかどうかも重視されますので、スカウトを考えている人は、その辺りも考慮して良いイラストを描く人を探します。
※参考:「イラスト 高校

●専門学校に行った場合

プロのイラストレーターになるために専門学校で学ぶことを考えた場合、現状、自分のイラストに足りない技術を補うため、デッサンの基礎や着彩技術などを学んで行くほうを想定しがちですが、「プロになる」ということを第一に考える場合、そういった部分は、実は二の次になります。

実際、大抵のことは検索で調べられるネット時代、描画力アップの方法や、美麗な着彩方法は、その気になって調べればすぐに手法を知ることができ、実際の技法に関しても、動画共有サイトにアップロードされている、技術の高い人のイラスト完成までの流れなどを閲覧すれば、一通りのコツを獲得することも可能となっています。

もちろん、そういった技術を知ったとしても、完成度の高いイラストを仕上げられるスペックのパソコンや、ソフトが完備されている制作環境も必要ですので、それらの設備が整っているという点も、専門学校で学ぶメリットです。

さらに、一定時間それのみを習得するという経験を持つことは、自分自身の技術として身に付けるために必須ですので、プロの指導者の元、学校の授業時間内にとことん集中して学べる機会があるのは、それだけでも貴重となります。

授業時間内に作品を仕上げるという状態に置かれることで、描画スピードのアップを図ることもできますし、提出期限付きの課題を出されることで、アルバイトがあろうが何があろうが、必ず仕上げなくてはいけないという状況に追い込まれます。

これまで楽しく趣味のイラストを、好きな時間に好きな量だけ描いていた人にとっては、プレッシャーを感じる事態となりますが「締め切り」を設定されるというのは、大変ありがたいことと言えます。

人間は、よほどのことがないと常に楽なほうへ流れてしまうのが当然と言える面がありますので「提出期限に間に合わせるのが難しいくらいの課題をこなす状況」に置かれるというだけでも、専門学校での学びには価値があると考えられます。

プロのイラストレーターになった場合、人気を獲得して仕事量が増えるほど、常にしめきりに追われる状況になりますので、そのシミュレーションにもなります。

●受け身のままでは、もったいない

課題提出の締め切りに追われて、作品数をこなして行くということ自体、貴重な学びの一環と言えますが、専門学校では、そういった受け身の態勢で課題をこなすだけでは、プロになるための学習としては足りない面があります。

受け身のままでは、もったいないとも言えます。

本格的にイラストや漫画の製作方法が学べる専門学校では、実際にプロのイラストレーターや漫画家として活躍していたり、リタイア後に現役時代のノウハウを生かして講義を行っている講師が居ます。

プロから直接、仕事の現場や、実情について教えてもらえる貴重な場ともなっています。

場合によっては、アシスタントとして仕事を手伝う機会に恵まれることもあります。

多くのプロが、ネット上で情報発信している時代、さまざまな職業の実情が、外部の人にもかなりのところまで判るようになって来ていますが、どんな分野でも、実際にその現場に居ないと見えていないことがあります。

イラストや漫画のプロは人気商売でもありますので、ネット上ではマイナス要素が伏せて語られていることが少なくありません。

実際に仕事をする前から積極的にマイナス情報を得て行く必要はありませんが、収入を得るための職業としてイラストレーターを選ぶのであれば、良い面悪い面すべてを知った上で、しっかりと決意を固めておく必要もあります。

専門学校は、プロの心構えを学べる場でもあることを自覚して、積極的にそれを知る努力をすることで、基礎画力アップ以上に大事な「何か」を吸収することができます。